「疎色の凪」

人は忘却の海に寄り添って生きている。情熱と傍観の温度差で海は果てしない上下動を繰り返す。表裏が翻り交差するように、生と死が螺旋状に渦巻いて昇降する。

私が生きているのか、認識者が在るだけなのか、あの海の中では全ての事象がただ溶け合っているだけなのである。その一様は天楽に基づく星の集い。 斯して水面も宙となりうる。

描くことも、描かないことも。進み戻る意思も。この瞬間を永続的に不確定な状態で在り続けている。私を吸い込んだ濠青の群海には、もはや認識できる色などあり得ないのかもしれない。 いや、全ての色彩がそこには螺旋を絵描いて流成しているのだ。

いま、風は吹いているのであろうか。この星を渦巻く銀河の如く、意識はみな蕭蕭としている。

Sparkle Sea

光を浴びて輝く海の情景は、前を向いて自分たちが生きていくことの象徴である。

山容を地球に対する祈りの象徴として描いてきた中で、日々を願う祈りの気持ちを形にするには、生命の母なる海を表すことが、自分にとっての啓示なのではないだろうか。

私が未来に願い絵描く天燦の情景を、今あなたは目前とする。それはあたかも量子縺れのようにあなたの未来を輝かせるのだ。

Taku Shinyama

This ART is my embodied prayer.